家族が盗撮容疑で逮捕された

カメラphoto

駅構内の階段やエスカレーター等でなされるいわゆる盗撮行為は、各都道府県の迷惑行為防止条例違反
(5条1項2号)となります。

東京都における迷惑行為防止条例においては、いわゆる盗撮行為をした者は
[ 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金]とされ、常習としていた場合には[2年以下の懲役又は100万円以下の罰金]
とされています。
これは、同じく迷惑行為防止条例違反となるいわゆる痴漢行為と比べても、2倍重い罪となっているため、
不起訴処分とならなかった場合には、重い刑を科せられる可能性が高く、前科として残ることになります。
したがって、早い段階から、性犯罪、とりわけ迷惑行為防止条例違反事件の経験豊富な弁護士と相談し、
早期に示談交渉等の対応策を考える必要があるといえます。

振り込め詐欺ではありませんか?

まずご家族の方がどこの警察署に逮捕されているかを聞いてください。
逮捕されているご家族・知人に連絡が取れる携帯電話に電話をするなどして確認してください。

逮捕されている警察署の電話番号を聞き、実際に電話をかけ実際にご家族・知人が逮捕されているか、
現在の被疑者の状況を確認することをお勧めします。

はてなphoto

早期の弁護人依頼の重要性

びっくりphoto

逮捕された方のご家族は、被疑者と同様に弁護人の選任権があります。
弁護人は逮捕された方の「弁護人になろうとする者」として、身体を拘束され取り調べを受けている被疑者と面会をし、
必要なアドバイスを行うとともに、家族からのメッセージを伝えることができます。

逮捕直後に黙秘権の説明や今後の刑事手続きの流れについて被疑者の見方である弁護士から説明されたことが、
多くの被疑者にとって心の支えになったと聞くことが多くあります。被疑者から当番弁護士出動の要請があった場合でも、
当該当番弁護士は、すぐに面会を行うとは限りません。
逮捕されたご家族は勤務先への欠勤の連絡など、一刻も早く外部の者との連絡を望んでいることが多いと言え、
緊急に面会に出向く弁護人を待っています。
そのため、盗撮弁護に強く、即座に被疑者の弁護へと奔走することのできる弁護人を早期に選任し、被疑者の弁護を依頼する
ことが重要になってくるといえるでしょう。

盗撮事件の厳罰化傾向

盗撮行為はホワイトカラー犯罪の社会問題として多く報道されており、同事案に対する被害者感情は高まっています。
また、盗撮事件は、他の迷惑行為防止条例違反と比べても重いものとなっています。
したがって、弁護人を通じた示談交渉をはじめとする弁護活動をしなかった場合には、身柄拘束を経て、有罪とされて
しまう可能性が非常に高くなってしまいます。

身柄解放に向けた弁護活動

天秤photo

被疑者は逮捕から48時間以内に検察庁に連れて行かれます。この手続きを「送検」といいます。
送検がされたのち被疑者は、検事による弁解録取という手続きがされます。

ここで検察官は逮捕された被疑事実について、被疑者の弁解を聞き、その弁解をもとに被疑者に「罪証隠滅の恐れ」
( 被害者・目撃者との接触により、口裏合わせなどの危険、データ等の消去の危険)があるか、
被疑者に「逃亡のおそれ」があるかを判断して、勾留請求をするか否かを決めることになります。

検察官の勾留請求ののち裁判所において勾留決定がされてしまった場合には、
被疑者は勾留請求の日から原則10日間(延長がされた場合には最長20日間)、
留置施設にて身体拘束されることになります。勾留決定により勤務先を欠勤、学校を休んでしまうことにより、
被疑者は様々な心理的・経済的・社会的不利益を受けてしまう可能性があります。

また、盗撮事件の場合、使用されたとされる携帯電話やデジタルカメラ等の撮影機器内に盗撮の証拠データとして
残るため、余罪が発覚しやすいとも言えます。このように被疑者が盗撮に使用したとされる携帯電話等の手元にある
機器のみならず、被疑者の身柄が拘束されたまま、自宅などにあるPCやHDDにまで捜査が及ぶことがあります。
そしてそこから余罪が発覚する可能性も十分にあるでしょう。
その場合、余罪についても逮捕・勾留手続きがなされ、身柄拘束がさらに長期にわたる可能性があります。
身体拘束が長期にわたってしまうと、学生の場合は学校を退学処分になってしまったり、社会人であれば
退職に追い込まれてしまったりする恐れもあります。

したがって、このような事態に陥ることを避けるためにも、盗撮容疑で逮捕されてしまった場合は、できるだけ早い段階で弁護士を選任し、勾留請求阻止、その他身柄解放へ向けた活動を開始する必要があると言えます。

冤罪事件の場合

カギphoto

盗撮事件は、被疑者本人が被害に気づきにくいことから、周辺にいた第三者の申告により、
その場に居合わせた私人によって逮捕されるケースも多いと言えます。

ただし、冤罪であるにもかかわらす犯行を疑われる可能性もあり得ます。私人による逮捕などがされた場合には、
被疑者はいったん駅内の事務室に連れて行かれ、警察の到着を待つことになります。
その間、被疑者は、被害を訴えた方から、詳しい話を聞いて、勘違い・人違いではないかを確認することはできません。
その場に居合わせた目撃者に現場に残っていただくことも困難です。そうすると、冤罪であるにもかかわらず逮捕されてしまう可能性も 十分にあり得ます。冤罪事件の場合には、虚偽の自白調書を作成させないような徹底的な取り調べ対応と、
被疑者の無罪を証明する証拠の保全のため、迅速かつ的確な弁護活動が要求されます。

もっとも、盗撮事件の場合、使用されたとされる携帯電話やデジタルカメラ等の撮影機器内に
盗撮の証拠データとして残るため、そのような場合には冤罪事件として争うことは困難な場合がほとんどでしょう。
盗撮の証拠が残ってしまっている場合には、下記で述べるような示談交渉を早期に図る必要があると言えます。

示談交渉

握手photo

盗撮被害に遭った被害者は、自らの名前、住所、連絡先を被害者(被疑者)に知られることを恐怖に感じることから、
捜査関係者も被害者情報を被疑者に伝えることはありません。したがって、弁護士を通さない被害者との接触は
事実上不可能と言えます。

弁護士は被疑者から盗撮行為を行うに至った経緯、盗撮行為の態様、被疑者、被害者の属性を聴取し、
捜査関係者からも盗撮行為の態様や被害者に関する情報を聴取したうえ、適正と考えられる示談金額を
検討したうえで示談交渉に臨みます。

また、盗撮事件は、携帯電話等の撮影機器内に証拠が残るものであり、起訴された場合には、
有罪となる可能性が非常に高いと考えられます。とりわけ盗撮行為が常習的と判断された場合には、
重い法定刑の罪として立件可能性もあります。そうすると、盗撮事件においては、不起訴処分へ向けた、
早期の示談交渉が 特に重要なものになると言えます。

起訴後の弁護活動

本photo

迷惑行為防止条例違反で示談が不調となったときは、多くのケースで、略式手続きにより罰金を納付により事件が終了します。
一方、被疑事実について否認している場合や、盗撮行為が常習的であり、厳罰の必要があると検察官が判断した場合には、
検察官により起訴がされ公判での刑事裁判を受けることとなります。